学生の動向

学生就業支援センターがインタツアーを推進する理由として、学生の動向が大きく変化していることがあります。
ここでは、主に「就活スケジュールの変化」「メディア利用の変化」を背景に、なぜインタツアーがいま必要なのかをお話しします。

就活スケジュールの変化

まず、実態としての新卒採用が長期化・通年化している、スケジュール面の影響とそれを受けた学生層の分化があります。

これまで、就活のスタートとされる採用活動のスタート時期は 何度も変化してきました。
直近では、いわゆる経団連の新卒採用ルールがスタンダードとされ、広報活動の解禁は3年生の3月、採用活動の開始は6月となっていました。

しかし、少子化や人手不足などの影響で採用難が続く中で 早期に採用をスタートする企業が増え、これらのスケジュールは 年々形骸化の傾向をたどりました。 ついに経団連も通年採用を容認する方向へと変化しています。

一般化するインターンシップ

こういった曖昧な状況の中で注目を集めてきたのが「インターンシップ」です。
本来、採用活動ではない学生の社会体験・職業体験の場として位置づけられている「インターンシップ」ですが、採用前に企業を知ってもらう広報活動としての役割も果たせることから、現在では実質的に採用活動の一部として組み込まれることが常識となっています。

採用直結や採用を意識したインターンシップとしては、夏休みに複数日程のインターンシップを実施、その後秋冬に1dayインターンシップや就活セミナーイベント(実質的な説明会)を実施し、 10~12月ごろに採用選考をスタートする企業も珍しくなくなりました。
こうなると、学生にとっては3年生の夏(あるいはその前の準備期間)から就職活動がスタートし、翌年の夏以降まで続くことになります。 多くの学生は、1年を超える就職活動期間に大きな負担を感じ、実際の活動期間を特定の時期に集中させる傾向が出ています。

分化短期化する就活スケジュール
2020卒予定就活生への調査「就活をスタートした時期は?就活を終えた時期は?」 (調査協力:全国求人リサーチ)

この調査の結果では、学生が就職活動を始める時期が概ね3つに分かれていることがわかります。
見ていくと、以下の傾向がわかっています。

  • 3年生の5月ごろから活動する学生 → 12月~3月ごろに就活を終える
  • 3年生の10月ごろから活動する学生 → 4年生の4月ごろに就活を終える
  • 3年生の2月ごろから活動する学生 → 4年生の6月以降に就活を終える

企業の採用スケジュールでは1年近くの採用スケジュールを設けているケースが多いのに対して、
学生は約6カ月前後の期間で就職活動を終えており、新卒採用の実態はかなり通年採用に近いものとなっていることがわかります。

学生の就職活動のスケジュールが実際には長期化するのではなく分化し短期化していることがわかります。このスケジュール感の乖離は、採用・就職にかける企業と学生の温度感の差を如実に表しています。

企業にとっては採用活動が長期化することで、いかに採用活動期間に惹きつけるか、そのアプローチに目が行きがちです。
しかし、多くの学生はそもそも短期間で就職活動を終えることに重きを置いており、キャリアの選択肢を増やす機会=社会人とのコミュニケーションの機会を十分に持っていません。
採用だけでなくその後の定着を考えると、採用担当者による学生の惹きつけだけでなく、学生自身のキャリア意識の深化を促す施策を行うことが必要です。採用選考ではなく、採用広報として学生とコミュニケーションをとる『インタツアー』の狙いは、学生のキャリア観の醸成にあります。

メディア利用の変化

もう一つの変化として学生が目にするメディアの変化があります。学生がこれまで就職活動の情報を得るメディアとして活用してきたのは大手ナビサイトをはじめとする就職情報提供媒体でした。しかし、このメディアの利用度は大きく変化しています。

2019年に大手ナビサイトで学生の行動を予測したデータが本人の同意なく販売されるという事件があり、学生の中でナビサイトへの信用度が揺らいでいる、という話題になりました。 実際には、学生の中で大手ナビサイトに対する信頼感や親しみやすさの低下は以前から起こっていたと考えられます。
新卒就職情報のナビサイトでは、5年で募集企業の掲載件数が軒並み3~5倍以上に増え、掲載内容の項目も大きく変化しないため、 掲載情報から学生にとって興味のある企業を探すことが著しく困難になっています。
結果として、ナビサイトは広報の手段から受付ページとしての機能を重視されるようになっていきました。企業名や社会的な役割の認知=採用広報は別のメディアで行う必要が出てきました。

また、学生にとっては普段利用するスマートフォンやSNS経由での情報共有や、クチコミを使った情報の確認が重要性を増しており、 企業側の画一的で良い面だけを伝えるパブリックな情報発信だけでは信用を得られにくくなっています。
こういった背景から、これまでの大手ナビサイトに依存した採用手法は効果を上げにくくなってきました。
学生が就職活動を本格化させる前の段階から認知を作る「採用広報」と、実際に企業と接した学生から語られるクチコミを使った WOM(Word of Mouth)マーケティングが採用ブランディングの構築に欠かせなくなってきています。

学生の「キャリア選択の目」を育成する『インタツアー』

学生の就活スケジュールの実質的な短期化と、企業発信の情報に対する不信感や情報ソースの多様化は、結果的に学生自身の「企業を見る機会」「企業を見る目」を養う機会を損なっています。
多くの学生がより多くの企業情報に触れ、その中から自分自身のキャリアを選択できる就活の軸を得られるようになるためには、多様な社会人と接する機会をつくり、学生の目に触れやすい形で情報を流通させるプラットフォームが必要です。「インタツアー」は学生の職場見学プラットフォームとなるために設計されています。